天狗ヶ城朝駆け

 満月期で天気が良さそうなので土曜日に朝駆けを計画する。土曜日の朝駆けは金曜日の仕事が終わって帰宅後に福岡からくじゅう行きとなるため時間的にも体力面もハードになる。

 

 九重ヒュッテに無理やり連絡を入れて少し仮眠を取らせてもらう。

 3時30分頃に牧ノ戸駐車場に着くと案の定来福さんの車がある。既に出発して時間がたっている様だ。

 

 3時50分に登山開始。気温はマイナス3℃で風が少しあるものの絶好の朝駆けになりそうだ。月は南から西の空に向かっている。今日は月を背にしての登山となる。

 

 登山開始から登山道はアイスバーン状態でアイゼンを付けていると歩きやすい。沓掛山に着いて周りの木々を確認すると登りの登山道と同様に霧氷が全く無く雪景色が期待できない朝駆けになった。

 

 定点ポイントの星生崎下に着いて周りを見渡しても霧氷は見当たらず撮影する気にならないためスルーして御池に向かう。久住山と中岳の分岐を過ぎ後ろを振り返ると月が星生山と星生崎の間に沈んでいくところで慌ててカメラを取り出しシャッターを切る。月の位置を考えると後10分程度早く着いていればと後悔する。

 御池の淵に着くと左側50M先位にライトの明かりが見えたので来福さんと呼ぶと返事がきた。やはり思ったとおりこの場所で撮影中だった。合流して私も暫く撮影タイムにする。

 

 日の出時刻に近づいてきたため天狗ヶ城に向かう。先行していた来福さんが急斜面で大声で威嚇するような声を数回出したのでビックリすると大きな雄鹿が目の前に現れたそうだ。とうとう天狗ヶ城山頂付近にも鹿が来るようになった。登山道には鹿の糞が沢山散らばっている。残念だがこれから山頂付近の植生被害が心配になる。

 

 山頂に着くと人の姿は無く我々が一番乗りとなった。早速、防寒対策をして撮影準備に入る。中岳方面を見ると薄くガスがかかっていて日の出は期待できそうにないし上空に雲は無く朝焼けも無さそうだ。

 

 日の出時刻を過ぎてやっと東の空に太陽がうっすらと顔を出してきた。何とか朝日を拝むことが出来てホッとする。それから暫く日の出を楽しんだ後、時計回りで御池に立ち寄り完全凍結の氷上で遊ぶことにする。

 

 御池に下りる前に池の小屋に向かいブログ「九重連山の光と影」の柴田氏が載せてあった仏像を拝みに立ち寄ると確かにその姿があった。祀られている仏像を前に般若心経を唱えると心が洗われた気分になった。過去何度となく訪れているこの場所にこの様に祀られていることを最近知りくじゅうの歴史を調べてみたくなった。

 

 気分新たにして御池に着いて面白く撮影できる氷を探して歩き回るが見当たらないため諦めて久住山避難小屋に向かう。ここでゆっくり時間を過ごし落ち着いたところで朝のくじゅうを楽しみながら下山とした。

 

 今回の山行はまた一つ心に残る思い出となった。