三俣山朝駆け

 

 今年の10月初旬から中旬は異常気象で真夏並みの気温が続いていた。下旬に入りやっと夜の冷え込みが厳しくなってきたが紅葉は例年より1週間は遅れている。 

 

 緊急事態宣言が解除され三俣山に朝駆けすることにする。 

 長者原で車中泊して2時50分に大曲登山口を出発。硫黄山道路に出て空を見上げると月夜の中に星が輝いている。

 スガモリ越に着いて一息入れ三俣山西峰に向かっていると先行の登山者が暗闇の中で私の名前を呼んだので返事をすると来福さんだった。大体の登山時間を伝えていたので分かってくれたようだ。

 

 急登をゆっくり進み何とか三俣山本峰へ5時5分に到着。一息ついて目的地の北峰へ時計回りで向かおうとすると「植生保護のため…通行をご遠慮ください」の看板が立っている。このため仕方なく南峰に向かうことにする。暗闇の中、紅葉を確認するがまだまだの様だ。南峰手前の小鍋方面分岐に着くとこちらの登山道は閉鎖されていない。ここで来福さんと別れ小鍋付近で日の出を迎えることにする。ここからのご来光は初めてとなる。

 小鍋の淵に着き撮影場所を色々探すが中々見つからず何とか岩場の撮影ポイントを確保する。段々と大船山方面が明るくなり回りの木々を見るとドウダンツツジが少し赤く色づいている。

 暫くして日の出を迎えたがピーカン状態で思った撮影が出来ない。陽が昇り撮影場所を第2ポイントへ移動すると大船山上空に鱗雲が現れている。凄い光景を目の当たりにして興奮しながら慌てて撮影準備を行ない思う存分撮影を楽しむことが出来た。撮影ポイントが三俣山の一番低い場所で障害物も無く全景が大きく開いているため思い出に残る撮影になった。この光景を見せてくれたくじゅうの神様に感謝!!

 山の光景はいつどのように変化するのか分からないことをつくづく感じた一日となったと同時に山は登ってみないと何が起こるか分からないことを再認識した。